ホントのMVNO

世の中、仮想の時代だ。

仮想通貨、仮想サーバ、仮想デスクトップ。

仮想人間というのが出てきたら、ロボットのことかな?

 

最近、いろいろな人と話していてよく思う。

 

仮想、仮想と言いながら、物理層と上位レイヤを区別してイメージできていない人が多いということを。

 

仮想とは抽象化であり、突き詰めていくと、それは哲学の領域に近くなっていくと思っている。

 

なので、わかりにくいのも仕方ないか。

 

仮想移動体通信事業者(MVNO)というのも、現在存在している事業者は、単なるMNOだと思っている。

 

3大キャリアとの違いは、設備を保有しているか、それとも、借り受け、もしく卸売を受けた回線を再販しているかの違いでしかないからだ。

 

「仮想」と名乗るからには、物理層とは完全に分離したサービスを展開してほしい。

 

現時点では、N社のネットワークを利用したMVNOは、同社のネットワークを再販しているだけなので、利用できる端末もN社が販売したものか、simフリーのものに限られる。

K(a)社のNVNOは2社しかなく、うち1社は自らの子会社だ。

S社に至っては、本来のMVNOはない。(D*snyMobileやY!は、ユーザから見てMVNOとはいいがたい)

 

ユーザが必要とするのは、その時々、オンデマンドで、必要な速度のネットワークを、より安価に提供してくれることであり、通信方式がLTEであろうがWiMax2+であろうがWi-Fiであろうが、正直言ってどうでもいい。

 

ユーザにとっての最適なチョイスを、回線事業者が自動的にやってくれるようになった時、ホントの意味でのMVNOが誕生するのだと思う。

 

そうなったら、土管屋の中の土管屋だ。すばらしい。

 

AppleSIMが一番近い位置にいるのだろうが、実現までには、技術的なハードル以上に、ステークホルダーの説得、規制の撤廃、必要な法整備等、周辺環境の整備に多くの時間とパワーがかかるだろう。

 

もっとも、かつてのスティーブのような、とんでもない人物が現れたら、一気に今までのルール、競争環境をブチ壊すイノベーションを起こしてくれるかもしれないが。

 

返す返すも、スティーブが、せめてあと15年生きていてくれたら・・と思う今日この頃である。